実習の時に知っておきたい「変更調剤」②(全3回/後発品からの変更)

前回は処方箋に先発品の名前で記載された場合の変更調剤を勉強しました。

前回の記事はこちら→【実習の時に知っておきたい「変更調剤」①(先発品からの変更)】

さて、変更調剤には、以下の3種類のパターンがありました。

①先発品記載からの変更

②後発品記載からの変更

③一般名処方記載からの変更

今回は【 ②後発品記載からの変更 】を徹底解説いたします。

おさらい(変更調剤の前提ルール)

◆前提として、患者さんに「適切な説明(パンフレットを用いる等)をし、同意を得る」必要があります。

◆基本的に後発品の方が値段が安くなります。(薬によっては高くなるものもありますが、数は少ないです。)

→値段が高くなる場合は変更調剤に制限が付く場合があります。

◆医師が変更不可欄に✔及び、署名をしっかりと行っている場合は変更できません。

どうしても変更が必要な場合は、医師に疑義照会を行う必要があります。

②後発品記載からの変更

この場合は (1)後発品→先発品 (2)後発品→後発品 への変更が考えられます。

(1)後発品→先発品

◆このパターンは何もできないと考えてください。(何もできない原則)

後発品で記載があれば、後発品でのお渡ししかできません。

すなわち、後発品から先発品に変更する場合には医師へ疑義照会が必要です。

変更をする理由としては、以下の例があります。

◎処方箋には後発品で記載してあるが、どうしても患者さんが先発品を希望する場合。

◎先発品しか取り扱いがない場合

昨今、ニュースでも取り上げられている医薬品供給不足の中では、先発品しか手に入らなかったというケースが多々起きています。

そのため、このように後発品から先発品に変更を依頼する場面もありますので要チェックです。

(2)後発品→後発品

【値段が安くなる場合】

このパターンでは自由度が高いです。

規格を変えることや、剤形を変えることも可能です。

【値段が高くなる場合】

高くなる場合は先発品から後発品への変更時と同様に、規格・剤形に変更の無い時のみOKです。

記載されている医薬品より、高いか安いかを気にする必要があります。

◆後発品が例えば16社のメーカーから出ていた場合、全てが同じ金額というわけではありません。

先に8社が後発品を出していて、その後に他の8社(後追い後発品)が出す例もあります。

その時は先に承認されていた後発品より、薬価がさらに安くなる場合があります。

「メーカーによって、薬価が異なる場合もある」ということを知っておきましょう。

さいごに

今回は後発品からの変更調剤についてまとめました。

後発品で記載があると、後発品でしかお渡しすることができません。

その場合でもしっかりと患者さんに説明をし、後発品でのお渡しであることを了承を得るようにしましょう。

少しでも患者さんが不安に思うようなら、それは治療効果に影響を及ぼす場合があります。

後発品が不安で結局飲まなかった等・・・とならないように、懇切丁寧に後発品とは何か根拠を持って説明しましょう。

ラストとなる次回は【一般名処方からの変更】を徹底解説いたします。

次の記事はこちら→実習の時に知っておきたい「変更調剤」③(全3回/一般名処方からの変更)

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