薬局を運営する上で避けられないのが不足薬の対応です。
世の中には何万種類もの医薬品が存在します。
スペース上でも経営上でも、全ての医薬品を多量に在庫として抱えることはできません。
(現金を”現物=医薬品”として持っておくと、現金が足りず給料を払えなくなってしまいます。)
なので、基本的には処方で出る可能性のある医薬品だけを在庫として抱えます。
そのため、新しい薬が処方された時や日数・錠数が急に増えた時は不足薬が発生する場合があります。
不足薬が発生したら
不足薬が発生した場合、患者さんに迷惑をかけてしまうことになります。
「薬が足りない」ことに気づいたら、すぐに患者さんにお声掛けにいきましょう。
時間が後になればなるほど、患者さんは「なぜ早く伝えてくれないのか。」と怒ってしまう可能性が高くなります。
「他の薬局でもらう」という選択の自由を奪うことになるからです。
散々待った挙句、カウンターに呼ばれてから「実は薬が足りなくて・・・」と言われてしまっては、患者さんも選択の余地がありません。
薬の郵送はOK?
【内国郵便約款:第2章 郵便物 第1節 通則より下記抜粋】
(郵便物として差し出すことができない物等)
第6条 次に掲げる物は、これを郵便物として差し出すことができません。
(1) 爆発性、発火性その他の危険性のある物で総務大臣が指定するもの
(2) 毒薬、劇薬、毒物及び劇物(官公署、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師又は毒劇物営業者が差し出すものを除きます。)
(3) 生きた病原体及び生きた病原体を含有し、又は生きた病原体が付着していると認められる物(官公署、細菌検査所、医師又は獣医師が差し出すものを除きます。)
(4) 法令に基づき移動又は頒布を禁止された物
(5) 人に危害を与えるおそれのある動物(学校又は試験所から差し出され、又はこれにあてるものを除きます。
つまり、メーカーさんが薬局宛てに劇薬の製剤見本を送付する事は認められていませんが、医師や薬剤師が患者さん宛てに調剤された薬(毒薬や劇薬含む)を送付する場合等はOKです。
しかし、補償範囲を大幅に超えるような高額医薬品やさらに管理の特別な麻薬・覚せい剤原料・リタリンやコンサータ等は郵送せず、直接お届けに行く or 取りに来ていただくのが良いでしょう。
さいごに
不足薬は避けられないものではありますが、その後のトラブルは避けることができます。
患者さんに丁寧かつ迅速に説明・お詫びをし、最大限早く薬をお渡しできるように対応しましょう。
また、受け取り手である患者さんにも都合があるはずです。
ポストに投函できるサイズではなかったり、クール便になる場合は、都合の良い日時を聞くようにしましょう。
一番患者さんに都合の良い手段・日時で届くように提案することがトラブルを避けるコツです。