現在の調剤報酬上、「後発品調剤体制加算」は薬局運営に大きく関わっています。
この加算は全てが純利益になりますし、来てくださった方全員に算定が可能です。
患者さんによっては「私は先発品希望だから関係ない」と考えている方もたまにいらっしゃるので掲示物や、聞かれた際には丁寧な説明が必要です。
後発品調剤体制加算について
現在の後発品調剤体制加算の点数は以下のように区分されています。
直近3カ月で以下の基準がクリアできていた場合、翌月から算定が可能です。
後発品調剤体制加算3:85%以上 28点
後発品調剤体制加算2:80%以上 22点
後発品調剤体制加算1:75%以上 15点
(今年4月の改訂では、下記のように予想されています。)
後発品調剤体制加算3:90%
後発品調剤体制加算2:85%
後発品調剤体制加算1:80%
加算の計算方法
後発医薬品%=後発医薬品/(後発医薬品のある先発医薬品+後発医薬品)
除外医薬品
①経腸成分栄養剤(ラコールやエンシュアなど)
②特殊ミルク製剤(フェニルアラニン除去ミルク配合散「雪印」/ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合散「雪印」など)
③生薬や漢方
これらは除外されます。
後発品医薬品利用促進のために
ではこの後発品での調剤する数を増やすためにはどのような工夫をすればよいでしょうか。
もちろん医師が処方箋をすべて後発品の名称で記載すれば、後発品でしかお渡しすることができないので、自然と%は上がります。(変更調剤のルール参照)
後発医薬品の使用促進(=医療費の削減)は薬局薬剤師の義務でもあります。
現在の計算方法上、1日1回1錠の薬を後発品に変えても、30日間で「30」にしかなりません。
ボノテオなど、4週に1回の薬であれば「1」にしかなりません。
しかし、軟膏100g変更した場合(薬価単位が1gの場合)は「100」になります。
もちろん患者さんの負担額は安くなるので、医療費の削減にもなるのでメリットは大きいです。
ただ、後発品の計算においては、軟膏やうがい薬を変える方が遥かに数値に影響します。
薬局ですぐにできる工夫
【1】ポスターなどの掲示
後発医薬品に関するポスターを薬局内に掲示しましょう。
待ち時間の間に見て、興味を持つ方もいらっしゃいます。
また、英語や中国語、韓国語等で説明書きのあるポスターもありますので、外国の方にも確実に同じサービスを提供できます。
【2】差額表のお渡し
最近のレセコンでは差額表を発行できるものがあります。
「ジェネリックに変えた場合、1カ月でこのくらい安くなります。」
「年間にすると松坂牛のサーロインステーキ分の差です。」などと声を掛けると、「試してみます!」という方もいらっしゃいます。
【3】AGのある医薬品について声掛け
後発医薬品に不安を感じる方も一定数いらっしゃいます。
その方には強く勧めることはしませんが、使用薬剤にAGが存在する場合は説明してみましょう。
「添加物や作り方も同じなら、変えてみます。」と言う方が大半です。
最近の後発品不足に関する臨時措置
ただし、現在の後発医薬品メーカーの不祥事及び、流通状況ではままならないのも現状です。
今度の改訂で90%のラインが出来た場合、後発医薬品が各薬局で取り合いになり、さらに手に入らない状況になる恐れがあります。
そのため、現在はこの薬は流通が悪すぎるので、臨時措置で計算に入れなくていいよと通達が出ています。
ただし、「この薬は計算に入れて、この薬は計算に入れない」という選択制ではありません。
「入れないなら全て入れない」という計算になるので、入れたままの数値と入れなかった時の数値で高いものを採用しましょう。
よくある質問
バイオ後発品は後発品の計算に含まれますか?
→計算に含まれます。