薬価改定は2年に1度、4月に行われます。
(イレギュラーで消費税が8%→10%に引き上げの際にも行われましたが)
中には薬価が引き上げられる医薬品もありますが、大半が引き下げられます。
2022年である今年も行われますが、薬価改定の時の在庫管理は厳しく行う必要があります。
薬価改定時に何が起こるか・・・
薬価改定は大損害を引き起こす場合があります。
薬価引き上げの医薬品は良いですが、医薬品によっては(主に後発品)30%近く薬価が下がります。
3月31日までは1錠100円で売っていたものが、翌日の4月1日からは1錠70円の売り値になってしまいます。
普段の薬局の在庫規模にもよりますが、翌日の4月1日には薬局の在庫評価額が100万円ほど下がってしまいます。
そのために、3月末日の在庫を厳しく締めておき、損を減らす必要があります。
薬価改定が近づくと、卸さんから実績のある医薬品について、新旧薬価表を頂戴します。
これを確認し、「在庫量」と「マイナスの薬価差」を掛けて大きくマイナスとなる医薬品から順番に、厳しい在庫管理を行っていきましょう。
プラスとなる医薬品もある
反対に「普段の発注量」と「プラスの薬価差(大きく上がることは基本的にありませんが)」の数値が大きい物は多めに買っておくと4月になった時にお得でもあります。
ただし、大きく薬価が引き上げられる薬は基本的にないので、3月に事前のまとめ買いをする薬局さんは少ないです。
新薬価対応
また、卸さんとの協議で、新薬価での納入がいつになるかを確認する必要があります。
これを新薬価対応と呼びますが、卸さんが早めに新薬価対応をしてくださると、4月1日までに在庫が入れ替わるので暴落損害率を減らすことができます。
配送のタイミングにもよりますが、一番早く新薬価対応をしてくださる卸さんに発注するのが良いでしょう。
場合によっては、「A社さんはこの日から新薬価対応ですが・・・」と他の卸さんに掛け合い、B社さん、C社さんも足並みを揃えてもらうように交渉することもできます。
さいごに
毎日の在庫管理も手間がかかり、忙しい業務の中で行うのは大変です。
特に昨今の医薬品流通状況では、一層在庫管理に時間がかかってしまいます。
午前中は卸さんからの欠品連絡の対応に追われてしまうという薬局も少なくありません。
要点を絞って取り組み、在庫管理にかける時間を減らし、患者さんとの時間を増やしていきましょう。